先日、Microsoftが自社アプリをパッケージ販売から広告配信型の無償配布へ切り替える検討をしてるらしい、っていう記事がありました。検討の対象にはWindowsも含まれていたわけですが。
再び、こういう記事が。
・マイクロソフトの「利益を生まない」アプリケーション(CNET Japan)
先日の記事だと、具体的な説明は「Windows 1ユーザーから得られる利益は9ドル/年」くらいのもんで、他は結構ボカしてありましたが、
（略）新しいPCと一緒にバンドル出荷される「Works」は、1本あたり約2ドルにしかならないという。また「Money」の標準版では利益さえ生んでおらず、「OneNote」に至ってはPCメーカーにバンドルしてもらうために大幅な値引きを余儀なくされているという。 （略）今回はより踏み込んでます。
とりあえず「Works」と「Money」は前の記事でも名指しされていて、MSにとっては半分「お荷物」なのは本当なんでしょう。
というか「Moneyが赤字」なんて言ったら、二つの意味で「寒いこと言ってんなよ」とばかりに白い目で見られそうなもんですが、ホントなんだから仕方ない。
んで、MSのCEO、Steve Ballme氏が今、来日中なわけですが。
・マイクロソフト、広告を新たな収益の柱に次世代サービス戦略セミナーで、バルマーCEOが明言(INTERNET Watch)
・S・バルマー、マイクロソフトの広告ビジネスを強調--MSNパートナー向けイベントで(CNET Japan)
こういう講演を。
Office Live/Windows Liveの話もここ一ヶ月くらいで色々記事になってますが。INTERNET Watchには、講演内容の一部として
バルマーCEOは、「現在Microsoftの売上高は400億ドルを超えており、そのうち、MSNによる広告売上高は20億円程度。ほとんどがプロダクトのライセンスなどによるものだ。だが、これからは広告収入が大変重要になる。少なくとも、80億ドルから100億ドル程度にまでこのビジネスが広がらないと成功したとはいえないだろう」として、広告による収入が、Windows Liveをはじめとするネットワークサービスの収益源となることを何度も強調してみせた。とある。ふーむ。
似たようなサービスを提供してても、IT企業各社、会社によって色んな収益構成があるわけです。
ソフトを売ってユーザーに直接代金をもらうか、ソフト自体は低価格か無料で配布して広告収入で間接的に代金をもらうか。
ソフトを売る場合も、売る相手が個人なのか企業なのか、それとも官公庁なのか。
似たようなサービス提供してる会社でも何処に軸足を置くかで住み別けてたりするわけですが、MSは従来の「個人相手のパッケージ売り」に関しては見切りをつけて、この構成比を変えようと動き出してんだなーという印象。
MSがゲーム事業（Xbox）を始めたのもその辺が関係してるし、AOLを取得しようとしてるのもそのせいか。
MSは近い将来、IBMのように企業向けに軸足を置きつつ、個人相手には低価格製品＋広告収入モデルという会社に脱皮しそうな雰囲気。
…ま、やるとしても、Vistaが出た後の話になるんだろうけど。
ただ「Claria」というアドウェアメーカーの話が出てますが、アドウェアは下手すると猛烈な反発を買うので（特にユーザーの行動を把握するようなタイプのものは）、そこのあたりでヘマしそうで気がかり。
MSって、そういうところでドジるんだよなぁ…。
追記
少し毛色が違うけど、
・マイクロソフト、1年間7,980円で使用できるPowerPointを提供(INTERNET Watch)
・PowerPointが7980円──使用期間1年限定で(ITmedia)
こんな話も。8000円/年はちょっと微妙な気も。
ただ通常版に乗り換えた場合は購入価格分がキャッシュバックされるそうなので、「とりあえず必要だけど、来年以降も使い続けるかはわかんない」ような場合はお得か。
11月28日追記
・今までのやり方は通用しない--激変するソフトウェアビジネス(CNET Japan)
やっぱ業界全体の流れだよなぁ…。
'06年02月01日追記
「無料化」が進むエントリーレベル製品--ソフトウェアビジネスに変化の兆し (CNET Japan)
・Windows生誕20周年記念「WindowsXP pro」特別版が発売：SKY WATCH
・MS、従来製品の無料化を検討中：SKY WATCH
・MSがAOLを取得？ TimeWarnerが売却交渉：SKY WATCH
