一昔前に流行った「広告バンドル製品の無料配布」というビジネスモデル。
まだネットの常接環境が整っていない頃(ようやくADSLが普及し出した頃)にベンチャー企業が見切り発車で始めたため、収益が見合わず、ITバブル崩壊と共にあっという間に廃れました。
それでも最近になって、再び「ISP契約とセットでPCを無料(廉価)配布」をする会社がチラホラと出始めてますが、Microsoftが何やら面白いことを検討してるようで
・金のガチョウを殺すのか--MS、デスクトップアプリの無料提供を検討(CNET)あくまで、「検討してるらしい」という話。
(略)CNET News.comが入手したMicrosoftの社内文書によると、具体的な計画は今のところ用意されていないものの、同社の幹部らは一部の製品の広告入りバージョンをリリースすることが理にかなうかどうかを検討中だという。検討の対象には「Works」や「Money」、さらにはWindows OS本体まで含まれている。 (略)
とはいえ、OSまで含めて「検討」の対象にしてるというのは驚き。Officeに関しては、OpenOfficeの普及次第か?
「GoogleがWebベースのOffice代替アプリを出す」ってのは米国マスコミの妄想くさいし(笑)。
Windowsについては「1ユーザーから得られる利益は9ドル/年」なんだそうで。
これは初めて知った数字。
だけど確かに、9ドル/年だったら広告入れてしまったほうがMSは儲かるか。
「海賊版」にも配信されること考えたら、広告モデルのほうが理に叶ってる。ただ問題は、全ユーザーが常時接続環境を持ってるわけじゃないってことか…。
MSが9ドル/年以上の利益をあげようとしたら、在る程度、使用条件を厳しくしないとない。広告を外せないように。
一定期間表示させないと起動できないとか。
けど、厳しくしすぎると、PCがトラブったときに困ったことになる。災害で停電したり、通信インフラがイカれたり、不測の事態が起きたときのことを考えると、その辺の条件は緩めにしないとマズイ。
でも利便性を優先して条件を緩くすると、広告を外されてしまう。
MSNメッセなんかでも、とにかく外したがるヤツがいること考えたら十分有り得る。
バランスが難しいところだな。ただのアプリなら起動不可にしても問題いないが、OSだとそうもいかない。
もしやるとしたら、無料配布じゃなくて条件付きの廉価版ってのが現実的か?
今現在も発展途上国向けの低価格版WindowsXPとして「Starter Edition」てのがあります。
これは、価格が安い代わりに一度に起動できるアプリの数とかが制限されてるものですが、それをベースに。
例えば5000円のパッケージがあって、ネットに繋がずにスタンドアロンとして使ってる限りは、機能制限版の「Starter Edition」として動作する。
でも、1回/週のアクティベーションをすると(このタイミングで広告データの入れ替えや細工のチェックをすればいい)、フル機能が使える。
これだと、もし止むを得ない事情で長期間オンライン状態にできなくても、「起動できない」とか困ったことにはない。最初に払った5000円分の「制限版」として最低限の機能が使える。
普段はアプリに広告入れておけばフル機能が使えて、MSもそれなりに儲かる。
有り得るとしたら、そんな仕組みだろうな。
Vista(次期Windows)とか新製品ではやれないだろうけど、Vistaが出た後にXPとか古くなったソフトをそういうカタチで廉価配布するのは面白いと思う。Win2kとか。
今でもWin98使ってる人は、単に「新規に金出してまでアップデートしたくない」だけで、無料・廉価でWin2k/XPが手に入るなら乗り換えると思うわけで(まぁマシンスペックの兼ね合いで古いままって人もいますが)。
サポート無しでいいから「実験」して欲しいものです。
・WIndows Vistaに7つのエディション:SKY WATCH