なにやらあっけなく話しがまとまってしまいましたね、GoogleによるYouTube買収。
・GoogleがYouTubeを16億5,000万ドルで買収(INTERNET Watch)
先週、話が出たときはもっと揉めるかと思ってたんですが…。
ただ同時に発表されてる、メディア企業(Universal Music Group、SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT、CBS)とのライセンス契約のほうがちょっと気になります。
・ユーチューブ、メディア企業3社とコンテンツ契約を締結(CNET Japan)
YouTubeはUMGとの提携の一環として、UMGのコンテンツがYouTubeに違法な形で投稿された場合、UMGが新技術を利用して問題のコンテンツを除去することにも同意している
CBSは、許可なくYouTubeに投稿されたCBSのコンテンツを見つけ出して除去したり、コンテンツを公開し続ける代わりに広告をストリーミングすることを選択したりすることができる。この「除去することができる」というのが具体的にどういう意味になるのか、分からない部分もありますが。
ただ直接削除できるにせよ間接的に削除できるにせよ、「削除依頼」に対する優先権を貰った、ということでしょうね。案件を素早く処理してもらうための特権。
その上で広告を載せて、各社で収益が分配される。
これはこれでアリか。ただ契約してない企業にとっては不公平感があるわけで、そこが逆に火種にならなきゃいいけれど。
・YouTubeが“厳しく”なっている?(ITmedia)
一方、最近はパトロールが厳しくなってるという話もあって、ふーむ、なかんじ。
YouTubeに関しては収益のあげかたに問題が出ていたわけですが、端的にいって「Google Adsense」で広告配信することになれば、問題が緩和されるのも事実でしょうね。
結局、各社と直接契約して「広告用地」を売るから問題が出てくる(広告主に対する道義上の圧力)。しかしGoogleAdsenseの場合、配信の過程は完全にブラックボックスなわけです。
「キーワードに反応して勝手に表示される」。
これは広告主にとっては、とてもいい「言い訳」になる。
もしGoogleAdsenseの仕組みでもってランダムに広告配信・掲載するようになれば、「広告主に対する道義上の圧力(海賊版の蔓延してるサイトに広告を出すな!)」は緩和させつつ収益にできる。
一方で、上記のようなメディア企業との直接契約で収益もあげる。
それを考えた場合、「広告代理店」であるところのGoogleの傘下に入るのはアリだろうなと思った次第。
今回のスピード結婚にはベンチャーキャピタルの暗躍(仲介)もあるんじゃないかという話があってニヤニヤ。
・グーグルのユーチューブ買収----「今日中にも発表」か(CNET Japan)
あと、こんなのとか。
・YouTube:1760億円 vs ミクシィ:2200億円--あなたならどっちを買う?(CNET Japan)
・ユーチューブ買収は成功するか--過去のネット企業買収を振り返る(CNET Japan)
私はYouTubeは直に潰れるだろうと思ってたクチですが、Google傘下入りで訴訟費用の心配もなくなり、百戦錬磨の法務の後ろ盾も手に入ったわけで、まぁ余程のことがない限り生き残りそうですね。
10月11日追記
・YouTube買収は「クレイジー」――ドットコム長者がコメント(ITmedia)
・YouTubeの著作権問題が放送とネットの融合を推進する?(ITpro/日経BP)
・YouTube 買収、Google の投資回収の見込みは?(Japan.internet.com)
論評いろいろ。
今日、米PBSニュースを見てたら(NHK BSで放送してます)、「Yahooなど他社に取られないための買収だろう」と論評してるアナリストがいて、半分同意。
10月17日追記
色々と続報の類が出てますが、「憶測」以外の動きとしてはこんなのとか。
・YouTube、利用上の注意点をまとめたガイドラインを公開(INTERNET Watch)
Google法務の指導?
10月19日追記
・グーグルのユーチューブ買収は愚かな行為か?(CNET Japan)
刺激的なタイトル。