@niftyがファイル共有ソフトの通信規制強化を検討してるとのこと。
・ニフティ，「Winny」通信の規制強化を予定(ITpro/日経BP)
・ニフティもWinny通信を規制へ(ITmedia)
「規制」といっても通信遮断ではなく、帯域制限（速度制限）のようです。まだ公式決定・発表ではないので、ITproとITmediaの記事で若干ニュアンスが違いますね。
ITproのほうだと若干の速度制限のみで済みそうですが、ITmediaだと「8-9割」とあり、大幅な制限になりそう。
つーか9割制限かけたら、実質「遮断」と一緒じゃん、という気も…。
どれくらいで線引きをするのか、規制基準をきちんと数字で示すのか気になる処。
流通しているデータ量については先日、こういう記事が出てまして。
・増加するインフラコストをどこで回収するかの議論が必要～IIJセミナー (INTERNET Watch)
以前はヘビーユーザーと一般ユーザーの間に利用頻度のギャップがあって、それを平均化して「定額制」というものが成り立っていたわけです。
これはどんな定額サービスにも当てはまるビジネスモデル、収益構造なわけですが最近のネットユーザーは一般ユーザーとヘビーユーザーの境目が皆無になり、90年代後半から始まったネット定額制の構造は崩壊しつつあるようです。
ダイヤルアップ接続の時代、完全な定額制が実施される前は、完全従量制の他に利用時間制が一般的でした。
月100時間までは5000円、以降は10円/分追加料金、みたいな（今の携帯電話と一緒だな…）。
月100時間/5000円というのは、普通に使ってる分には、ほとんど無制限状態でした。何せ毎日3時間使っても90時間。当時やることなんてメールチェックくらいのもんでしたからね。
だからそういう「普通の人にとったら無制限状態だけど」というレベルで制限かけてくれれば、そっちのほうが分かりやすくていいです。
月に**GBまでの転送量は3000円だけどそれ以上いったら速度制限（追加料金ではなく）かけます、みたいな。
ADSLと共に一般化した「無制限・常接サービス」は終わりを告げて、今後はそういう料金体系が一般化するかもしれませんねぇ…。
まぁ逆にそういう風に明示してくれたほうがスッキリするんですけどね。どっかのプロバイダみたく影でコソコソやられるよりは。
私は今の各ISPのジレンマ（競争激化と通信料の増大）には在る程度同情するんですが。ただ、それをするならちゃんと説明しろよと思うわけで。
ぷらら、ニフティときたら多分、他のプロバイダも追随するでしょう。だからこそ@niftyが公式発表するとき、どこまで説明責任果たすか注目です。
4月29日追記
・ニフティ、Winnyなどファイル交換ソフト利用時の通信速度を制限(CNET Japan)
・ニフティ、ファイル交換ソフトの通信速度制限を開始(INTERNET Watch)
・ファイル交換ソフト利用時の通信速度の制限について(@nifty 公式リリース)
実施自体はもう少し後になるかと思ってたのだが…。「利用者増」が予想される連休前に滑り込みで規制？
それで上に書いた通り、きちんと説明を尽くすのかどうかを注目してたのだが、ガッカリ。
実際どれくらいの制限にしてるんだ？、と思ったら『具体的にどの程度の帯域制御を行なうかについて、ニフティでは公表できないとしている』（INTERNET Watch）。
規制対象のソフト名は？ と思ったら『現在は、「WinMX」「Winny」などの、帯域を占有する通信に対して…』（@niftyｋQ&A）。
「など」？ MXとnyの二つだけなのか、ほかのソフトについても規制入れてるのか。入れてるとしたら何に対して規制してるのか、曖昧な表現だ。
とても説明を尽くしてるとは言えない内容で残念。ガッカリ。
それとITpro(日経BP)に、
・ぷららのWinny遮断は是か非か(ITpro/日経BP)
という記事が出てます。結論へは賛否あるだろうし、一部物足りなさもありますが、こういう「微妙」な問題には触れないでおこう、というマスコミが多い中、真正面から取り上げてる点は評価できます。
通信規制問題について興味ある人は是非一読を。
・「Winny完全遮断は行き過ぎ」総務省判断：SKY WATCH
・ネット企業に向けられる「インフラただ乗り」批判：SKY WATCH
・米国で通信事業者同士が対立、ネットに影響：SKY WATCH
