米国のSNSはMySpaceとFacebookが大手です。
最大手MySpaceは'06年にソフトバンクと組んで日本に上陸したものの苦戦中。今度はFacebookが日本上陸だそうです。
・Facebook創設者が来日。「実名によるリアルな人間関係」を強調(BB Watch)
・Facebookが日本語サイト公開、実名ユーザー登録で差別化図る(INTERNET Watch)
・「Facebook」日本語版公開 “実名交流”でmixi追撃(ITmedia)
細かい話しは省いて、これ見て私「あ、これ失敗するな」と。
まぁ…そもそも論として日本で海外発のSNSが成功を収める余地があると思えない。mixiが最大手で、他に携帯系のSNSがあり、その他小さい草の根ネットで既に飽和状態。
ソフトバンクと組んで、鳴り物入りで始めたMySpaceですらコケてる状態で、なんの後ろ盾もないFacebookが成功するわけがない。
ここまでは別に普通の話しです。
その上で。
もう少し突っ込んだことを言えば「Facebookは実名に基づいたリアルな人間関係のつながりが特徴であり、そこが他のプレイヤーとはまったく違った側面だろう」と言ってる所。
先日、CBSドキュメント(TBSでの邦題。米国CBSの「60min」というドキュメンタリー番組)見てたら、Facebookについてやっていたんですが、番組は賛辞を送る一方、経営者としての手腕・能力に疑問を投げかける内容でした。
日本でも大きめに報じられた「Beacon」問題がいい例ですが、この能天気なコメント、日本のマーケット分析をしてないんじゃなかろうか?
覚えてる人もいるでしょうが、そもそもmixiを初めとする日本のSNSも始めは100%実名主義でした。
しかし、各社SNSのユーザーが増える過程で紆余曲折があり(刑事事件含む)、基本的には「仮名での登録・公開を推奨」する形態に落ち着きました。
またSNS登場以前からあったネット文化からして、日本ではパソ通時代からHNが主流です(逆に米国では実名が主流です)。
そういう流れを無視して「Facebookは実名に基づいたリアルな人間関係のつながりが特徴であり…差別化できる」って。
mixi等の例からして、確かに少人数規模であれば実名は有益ですが、サービスを維持するには一定の規模が必要です。そして一定の規模になると、今度は逆に実名はデメリットのほうが大きくなる。
そんなわけで、まぁ…コケるとしか思えない。何か秘策がない限り。
あるいは日本でも、米国での創業時のように学籍を担保としたカタチでのSNSを始めればうまくいくかもしれませんが、「今更」だし…。
イザとなったらMSの日本法人(MSは一部を出資している)に助けてもらうのかな。でもソフトバンク@MySpaceですら苦戦してるなか、どうしようもないだろう…。
SNSというと、先日こういうのも出てました。
・「足跡だけ残してコメントを残さない人に腹が立つ」は少数派(INTERNET Watch)
私は数年前のSNS初期の掟「知人・友人のエントリーにコメントをしないとない」という、馴れ合い主義が大嫌いで(というか気持ち悪くて)SNSに批判的だったんですが、今じゃ多数派なんですね。
ちょっとビックリ。更に、
このほか、「加入SNS・コミュニティサイトに対して非常に安心感がある」とした人が10.3%だったのに対して、「加入SNS・コミュニティサイトに対して自身に関する情報の漏えいや炎上などに対する不安がある」とした人が48.3%に上ったデータなども出ている。…ということらしいです。
で…、こんな状況なのに誰が「馴染みのない海外新興企業のサービス」に実名登録するのだろう…?
少なくとも私はイヤですが…ねぇ…。
・Facebook Beaconのプライバシー騒動で逃げ出す広告パートナーも(ITmedia)'07/12/04
・「大きいことがいいこと」とは限らない--ソーシャルネットワークのジレンマ(CNET Japan)'06/09/26
5月20日追記
てか書き漏れ。「Beacon」のことがあるから信用できるかゴラァ(個人情報預けられるかゴラァ)、てことです。
んで、
・「グーグル? 大好きだよ」--Facebook創設者:インタビュー(CNET Japan)
という記事があって読んだけど、やはり意見を変える気にはならず…。
7月1日追記
・『Facebook』バブルを警告する声(WIRED VISION)
そうそう、そういうこと、といえる記事があったから貼り。