所謂「デュアルショック訴訟」。
PSやXboxに採用された振動コントローラの特許を巡って米国で起きた訴訟ですが、'02年に提訴された後、数年に渡る係争の末、SCEがImmersion(原告)と金銭的な和解に至り終結したのが今年・07年3月の出来事。
結論を言えばSCE側が負けを認めたカタチになりました。
それで終わったもんだと思っていたら、まだどうも「余談」というか「後日談」が残ってたようで…。
・MS、「ソニーの和解金」めぐりImmersionを訴える (AP/ITmedia)
この振動コントローラ訴訟は、SCE以外にMSも訴えられていました。
しかしMS側は早々に和解し決着をつけ、SCEだけが一人で粘っていたという経緯があるんですが、MSとImmersionが和解した際には「取引」があったようです。
Immersionは6月19日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、Microsoftとの和解条件では、ソニーから受け取る和解金の一部――最低で1500万ドルと、1億ドルを超える分についてはその一定の割合――をMicrosoftに渡さなければならないことになっていると認めた。(笑)。
だがImmersionはこの書類の中で、ソニーとの和解は、Microsoftとの合意の下での「支払い義務を生じさせない」と考えていると述べている。
いやいや、特許訴訟の「和解」に関して、その手の「取引」があることは、在る程度詳しい人にとっては常識というか暗黙の了解であるものの、片方がその取引をシカトして訴訟沙汰になり「取引」の内容が表沙汰になった日にはもう笑うしかないでしょう。
この手の特許訴訟の場合、とりあえず対象になりそうな企業を片っ端から訴えて、トップのほうの企業とクロスライセンスを結んで和解(場合によっては無償で和解し、表向きには「詳細非公表」で押し通す)、その「和解」を錦の御旗として「大企業である**社はウチとこういう条件で和解した。つまり私達の主張を認めた。お前のところも早いとこ和解したほうがいいんじゃない? 敗訴したら酷いことになるよ」とブラフをかけて上位の2-3社以下の企業から賠償金をせしめるのが王道ですが、デュアルショック訴訟でもそういう取引があったようですね。
この「キックバック規定」が有効なのか無効なのか、どちらの主張が認められるかは裁判次第ですが、これまたテキトーなところで「和解」になって「和解条件は非公表」とか発表されたら、かなり面白いんだけど。
まぁ金持ち同士のケンカはハタから見てて面白いから、やりあってて欲しいですな。
……なんだかなー。
・デュアルショック訴訟、和解で終結:SKY WATCH'07/03/04
・PS デュアルショック訴訟、SCE再び敗訴:SKY WATCH'05/03/26