「世界で最も有名な女性CEO」と称えられたHP(Hewlett-Packard)のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏が突然CEOを辞職したのは'05年2月のこと。
取締役会との不仲が原因で突然の辞職に追い込まれたとされ、フィオリーナ氏が主導した「コンパック買収」は大失敗だったと評されました。
しかし、一年半経った今「買収の決定は適切だったんじゃ？」という意見が...。
・コンパック買収は正しかったのか--検証：HP復活の経緯(CNET Japan)
ただあくまで「コンパック買収という決定は正しかったのでは」という意見であって、「フィオリーナ氏を解任したこと（辞任に追いやったこと）」自体は否定してません。
『彼女は、良いアイデアとビジョンを持っていたけれど、実行能力に欠けていた』というのが結論のようで。
ちなみに本人は他社の取締役に就任したり、退職金を巡って株主に提訴されたり、定期的にニュースになってますね。
・フィオリーナ氏、台湾TSMCの取締役に(ITmedia)
・「フィオリーナ氏の退職手当て払い過ぎ」とHP株主が提訴(ITmedia)
しかし一年半でここまで評価が逆転する人というのも珍しいな。
...で今、過去記事を探していて思い出しましたが、コンパック買収の際は凄まじい権力闘争（プロクシファイト）になったんだよな、そういえば...。
・HPとコンパックの大型合併を追う (ITmedia)(一覧ページ。リンク切れが多いので実用性低いですが)
・HP Wayとフィオリナの戦い(ITmedia)
・HP-コンパック買収の裏側に迫る(CNET Japan)
・米HPは強大化？それとも肥大化？--今後の成長に対する懸念も(CNET Japan)
今改めて当時の記事（↑の『HP Wayとフィオリナの戦い』とか）を読み返すと...なんか皮肉だ。
フィオリーナ氏本人、あるいは当時反対してた人は、こういう記事見てどう思うんだろう...？
9月13日追記
なんてことを書いてたら、こんなニュース。
・HPのダン会長、情報漏えい問題で引責辞任(ITmedia)
違法調査は以前から指摘されてましたが、来年1月に現会長が会長職を引責辞任（取締役には留任）するそうです。
フィオリーナ氏の在職時の肩書きは「会長兼CEO」でした。解任された後は、会長職とCEO職は別々になっていたわけですが、今回のことで現CEOのマーク・ハード氏が「会長兼CEO」になるそうです。
9月25日追記
ダン会長、辞任は来年で、会長職を辞任した後も取締役留任と発表してましたが。
・HPのパトリシア・ダン会長が即刻辞任、ハードCEO関与は否定(ITmedia)
・HP、盗聴問題でダン会長が引責辞任(PC Watch)
・スキャンダルに揺れる HP の会長、予定を早めて辞任(Japan.internet.com)
急転直下、22日付けで会長も取締役も辞任。
ちなみに20日付けで取締役会が開催されているのでその場で何かの暗闘があったのか...な？
・HP、取締役会開催--通話記録入手スキャンダルのさなか(CNET Japan)
・HPの通話記録入手スキャンダル--SECがさらなる情報の提出を求める(CNET Japan)
その他、こんなんとか。
・ハードCEOも承認していた？――HP、情報漏えい問題で会見(ITmedia)
・フィオリーナ氏の通話記録も探られたHPの情報漏えい調査(ITmedia)
ハードCEOは業績回復を賞賛されつつも耐え忍ぶ日々が続きそうです。
10月6日追記
・ジョブズ氏のいないアップルが来る日--IT企業が直面する「後継者選び」(CNET Japan)
こんなんとか。Appleは大変そうだな...後継者選び...。
・ラウンドアップ：HPの通話記録入手問題で次々と明らかになる真実(CNET Japan)
「違法調査」問題についての記事インデックスが出来てました。
・HP. フィオリーナ前CEOの退職金は22億円：SKY WATCH
・『最も有名な女性CEO』 HP フィオリーナ氏が辞任：SKY WATCH
