「MSNがAOLを買収する」というニュースが流れたのは初秋の頃。
その後、GoogleやYahooも名乗り出たものの、伝わってくる「提案」の中身からして、MSNが他を圧倒していました。
始め「合併」という話だったのが、「資本提携」となり、その後「合弁会社の設立」となったものの、MSNと組むことで決まり、今月中にも正式発表とみられてました。
が、ここにきて、AOL側が急転直下、MSNを蹴ってGoogleと組むという話に。
・GoogleがAOLと独占交渉、株式の5％取得か――米紙報道(ITmedia)
・AOL争奪戦、グーグルに軍配か--株式の5％を取得、提携継続へ(CNET)
週末に話が出たときは、条件吊り上げるためのブラフ（意図的なリーク）かなーとも思ってたんですが。
CNETの記事見ると『16日午前になって突然、Microsoftに提携交渉の白紙撤回と既存の広告パートナーであるGoogleとの関係強化を伝えた』とあり、本気で宗旨替えらしい。
…まぁ、どちらにしてもまだ正式発表ではないので、再度、MSNに戻る可能性もありますが。
んーむ。
んで、そんなこと思ってたら、eWEEKに、
・AOLはGoogleの破滅の種？(eWEEK/ITmedia)
こんな記事。
初期の頃からGoogleを使ってた人が、最近漠然と思ってるだろう内容を書いてくれてます。
YahooやMSNの「ゴテゴテしたインターフェース」や「広告と検索結果が判別しにくくて腹が立つ」ことに対する「反乱」として、ITヲタはGoogleを支持したわけです。
テキストライクで超シンプルな、クールな検索エンジン。
それが、Googleであり、だからこそ支持されたわけです。
なのに最近のGoogleときたら。
ビッグキーワード（汎用性の高いキーワード。「おもちゃ」とか「パソコン」とか）で検索かけたら、検索結果の右側に延々と広告が並ぶ。
メインのリスト(検索結果)には混ざらないが、しかし、画面の脇に広告が延々と連なる様を見てウンザリする人は多い筈（特に初期からGoogleを支持してた人は）。
もし今、昔のGoogleのような、シンプルで無欲でクールな検索エンジンが登場したら。
もしかするともしかするかもしれないなー、と漠然と思ってるのは私だけではないでしょう。
まぁIPOした時点で、「曲がり角」の入り口に立ってたわけですが。
昔、日本でYahooやgooが見限られたときのように、「もうGoogleはダメだ」ということになるのは、果たして一年後か、二年後か…。
原点回帰してくれれば一番ですが。
12月20日追記
・タイムワーナー大株主、AOLとグーグルの提携に異議(CNET)
といっても「MSNがいい」と言ってるわけでもなく。泥沼になるか…？
12月21日追記
正式発表。
・グーグル、AOLとの提携拡大を正式発表--IMやビデオ関連でも協力へ (CNET)
・Google、AOLに10億ドル出資――Google TalkとAIMの互換性実現も (ITmedia)
・Googleを選んだAOL、MSに希望はあるか？(ITmedia)
CNETの記事だと、業務提携以外に
両社の声明によると、今回の合意でGoogleはTime Warner以外で唯一のAOL株主となり、「少数株主に与えられる特定の権利」を保有することになるという。この権利のなかには、AOLの将来の売上や株式公開に関連するものも含まれる。なんて「特典」がつくそうで。
株数は5%でも「権利」の内容はそれ以上。AOLにとって吉となるか凶となるか。
12月26日追記
面白い続報が。
・ＡＯＬ：２００８年中の株式上場を検討 タイム・ワーナー(毎日新聞)・Google、AOL株式保有の株式保有会社設立(ITmedia)
米娯楽・メディア最大手タイム・ワーナーが傘下のインターネット事業部門「アメリカ・オンライン（ＡＯＬ）」の株式を２００８年中に上場させることを検討していることが２３日、分かった。米証券取引委員会（ＳＥＣ）に同日提出した書類の中で明らかにした。（略）
ＡＰ通信によると、合意事項の中に、グーグルは０８年７月以降にＡＯＬの株式上場を求めていく権利を持ち、もし実行されない場合は適切な価格でワーナーが株式を買い戻すことが含まれていた。（ニューヨーク共同）
Googleにとっちゃおいしいね。MSNの拡大を阻めた上、AOLがIPOすれば上場益が出る。もし上場しなければ、二年後の時点で「適切な価格」で買い戻してくれる（笑）。
Time Warnerは正気か？
・Google対抗でMicrosoftが大手との提携模索(ITmedia)
MSNも新たな手に向けてがんばってるようだ。Yahooの名前が示唆されてるが…それはないだろ…、さすがに。
ASKとかならアリだろうけど…なぁ…。来年に流れるだろうニュースに期待。
と、Googleの声明。
・米Google「検索結果ページなどにバナー広告は表示しない」改めて明言(INTERNET Watch)
・「検索の客観性は譲らない」――AOLとの提携でGoogleが表明(ITmedia)
各種懸念は杞憂だそうです。
12月28日追記
・Google と AOL の提携に関する詳細が明らかに(Japan.internet.com)
内容自体は既出ですが。まぁ「確認」として。
'06年03月30日追記
・Google、AOLに対する10億ドルの出資で最終契約を締結(INTERNET Watch)
正式契約。
