スパム関連のニュースは悪い話ばかりですが、たまには良いニュースも。
・迷惑メール:発信地のブラックリスト、日本は“卒業”(MSN毎日)要するに日本国内からのスパム発信数が減ったということです。
英ソフォスはこのほど、迷惑メールの発信地のブラックリスト(06年分)を発表した。ワースト1位は米国で、同社が調べた迷惑メールのうち22%は同国から発信されていた。日本はリストから外れ、不名誉が解消された。
(略)日本は04年の調査ではワースト6位(2.57%)だったが、05年第4四半期は10位(2%)に改善。06年第2四半期は12位(1.6%)となっていたところ、ついにリストから外れた。
記事でも少し触れてありますが、これは「スパマーが減った」というより、国内PCのボット感染率が低下したと見るのが正しいんでしょう。
個人や企業所有のPCのセキュリティが向上し、国内プロバイダが去年くらいから本腰を入れている25番ポートブロック(OP25B)が利いてるんでしょうね。
日本の回線・PC普及率を勘案した場合、「ワースト12」から外れたというのは結構胸を張っても良いんじゃないでしょうか。
送信国のワースト順位は、
1 アメリカ 22.0%だそうです。
2 中国(香港を含む) 15.9%
3 韓国 7.4%
3 フランス 5.4%
5 スペイン 5.1%
6 ポーランド 4.5%
7 ブラジル 3.5%
8 イタリア 3.2%
9 ドイツ 3.0%
10 イギリス 1.9%
=11 ロシア 1.8%
=11 台湾 1.8%
ざっと見たら、ロシアが意外と低いなぁというのが私の感想。
逆にフランス・スペインの辺りが高いですね。
うちにくる英文スパムの肌感覚だと、米国→中国→韓国→ブラジル→ロシア……なかんじなんですが。
ソフォスのデータを確認したところ、「Webベースのマルウェア(悪意のあるソフト)をホスティングしていたサーバーを国別で比較」したデータも出ていて、こちらは、
1 アメリカ 34.2%米国・中国がぶっちぎり。
2 中国 31.0%
3 ロシア 9.5%
4 オランダ 4.7%
(以下略)
しかしいろんな報道を見てて「ロシア・東欧がボットの生産、発信国」だという認識を持ってるんですが、これを見るとそうでもないのか?
…というか、中国は発展途上国だから目をつぶるとして、米国のPCセキュリティはもうちょっとどうにかなんないんでしょうかね、これ…。
あとオランダがホスティング数では4位になってるのに、「送信数」だとワースト12に入ってないのも興味深い。なんだろう…?
ソフォスのオリジナルの発表はこちら。
・ソフォス、2006年「スパム送信国ワースト12」を発表
日本語なので、興味ある方は目を通してみると宜しいかと。
ちなみに日本の取り組みというと、こんなんも出てました。
・企業価値を高める新メールソリューション:迷惑メールの一大原因「bot」国家プロジェクトで撃退へ!(日経BP)
「サイバークリーンセンター」の話。そういえば、前にそんなんニュースになってたっけ? とウロ覚え。
・Cyber Clean Center
ボット駆除ツールまで配布してたんですねぇ…。
2月13日追記
・ボット駆除ツール「CCCクリーナー」にバッファオーバーフローの脆弱性(INTERNET Watch)
ありゃりゃっと。最新版では対策済みだそうです。