数日前から話しが出ていたUSENによるライブドアの救済案。
ライブドアの法人に対する損害賠償請求の成り行きによっては保有する資産が大幅に目減りすると見られ、下手に株式を取得すると今度はUSEN(法人)がUSEN一般株主に訴えられかねず、業務提携だけにとどまるだろうと見られてましたが。
・[速報]フジテレビ、ライブドア株をUSEN社長に94億円で売却(CNET Japan)
・「他のオファーとは価格差歴然」――フジテレビ、USENにライブドア株売却(ITmedia)
宇野社長が「個人として」株式を取得。法人としてのUSENは業務提携だけ。
確かにこれなら、USEN-ライブドア間に実質的な資本関係ができて、しかも例えライブドアの企業価値がゼロになって含み損が出ても法人としてのUSENは損をしないので(損をするのは宇野社長個人)、USENの一般株主に訴えられることもないという、ウルトラC。
絶妙な落とし処。
「宇野社長個人が所有する」というのは変則的に見えるものの、昨日付けで人材派遣の「インテリジェンス」に関して、
・インテリジェンス:学生援護会と合併 USEN傘下で(毎日新聞)こういう発表がされてます。うってつけの「前例」。
人材紹介・派遣大手のインテリジェンス(ジャスダック上場)とアルバイト情報誌「an(旧日刊アルバイトニュース)」などを発行する求人情報大手の学生援護会(本社・東京、非上場)は15日、7月1日付で合併すると発表した。現在、インテリジェンス株は有線放送大手のUSENの宇野康秀社長が発行済み株式の33・1%を保有しているが、USENが宇野社長の保有株式を取得することで、合併会社はUSEN傘下で総合人材サービス会社を目指す。(略)
タイミング的にはたまたまでしょうけど、しかしこれと同じ方式でライブドアの中のゴタゴタが解消した後で法人としてのUSENが「適正価格」で買い取れば、USEN一般株主に責任追及される恐れもない(勿論、宇野社長個人が大損する可能性はありますが)。
とはいえ、今朝方までの報道だと「宇野社長個人が取得」という話しは出ておらず、損を覚悟で法人としてのUSENが買い取るという論調でした。一体どの段階でこの絶妙な落とし処を決めたのだろう?
しかし私はこういう「うまいこと」する人が大好きです。宇野社長、お見事。
ホリエモンもこの手の「ウルトラC」に長けた人だったよなぁ、と懐かしんでみたり...。
・USEN:LDの財務内容不透明な段階の支援に疑問の声も(毎日新聞)
まぁこういう厳しい意見も出てはいますが...。