以前から日本には一次情報を扱う報道系のBlogやWebサイトが少ないと散々言われてきましたが、最近は少しずつ増えてますね。
・マスコミ“以外”限定のニュースポータル(ITmedia)
まぁ…いいことかな。
ただ今後、こういうサイトか増えていくと、マスコミかどうかの線引き自体が難しくなるな。
一時期、「自称ヒッキー」がテレビに出てアレコレと話しをしてたことがあります。
アレへの反論として「おまえ、テレビに出てる時点で、もうヒッキーじゃねーじゃん?」というのがありました。他にも「おまえ、本出してる時点で、もうヒッキーでもなきゃニートでもないじゃん?」とかね。
認知度を上げるには露出を増やさなければならないが、露出が増えるとその「**」という肩書きが怪しいものになる…。
世の中にはそういうものが幾つかあるわけですよ。
この「市民ジャーナリズム」とか「非マスコミ」というのもそれと同じで。
例えば、Yahooがこういうリンクをトップページから張ったとして。
Yahooからリンクされれば、それなりにアクセス数は増えるし、比例して記事に対する責任も増す。広告収入も増える。
個人で運営してるサイトも効率化のために法人化することになるでしょう。
さて、そのサイトは本当に「非マスコミ」といえるのかどうか。
「全国紙」とか「テレビメディア」とかいう軸で区分けをするなら簡単ですが、「市民型」とか「マスコミ」とかを軸にすると、その辺がとても怪しいものになる。
全国紙かどうか、という軸にすると、じゃぁ週刊誌は? という話しになるし、一般流通してる印刷物、という軸でいくなら、じゃぁネットメディア(ITmediaとか、CNETとか、ImpressWatchとか)は? という話しになる。
法人かどうか、とか、記者が社員かどうか、という線引きも難しい。ライブドアやツカサは法人だし、週刊誌は実際に取材して記事を書いてるのは契約してるフリーライターだったりする。
突き詰めてくと今度は「市民記者」と「フリーライター(フリージャーナリスト)」は区別する必要があるのか? 本質的には一緒だろ? という話しにもなる(「市民記者」だって記事に対する報酬は得てるわけです)。
なんとも区分けが難しい。
勿論、私は空気の読めない人じゃないので、一般的に言うところの「市民型」とか「非マスコミ」という言葉のニュアンスは理解できます。まぁ、それは、わかる。
ただ、最近さかんに持て囃されてはいるけど、果たして「市民型」とか「非マスコミ」の境界線は一体何処に置くのか。
今現在は「非マスコミ」でも、今後成長していけば何処かの時点で「マスコミ」へと脱皮することになる。何処で脱皮したと見なすのか。
今までは曖昧でもよかったわけですが、今後、こういうサイトが増えていけば、どこかで明確に線引きをする必要が出てくるでしょう。
「市民型」とか「非マスコミ」というのは、とても口当たりのイイ言葉ですが、言葉に踊らされないよう注意しないとイケマセンね。
3月14日追記
・ひろゆき氏「市民メディアはマスコミに勝てない」(ITmedia)
こんなん出てました。