MSに対する独禁法に基づく一連の訴訟。
関係各社が次々と金銭的和解をしていくなか、先日、Sunもとうとう和解を決め、残るはRealNetworkse一社だけとなっていました。
少し前に「和解するようだ」という憶測記事が出てましたが、記事の通り和解になった模様。
・リアルとマイクロソフト、独禁法裁判で和解(CNET)
・MicrosoftとRealが和解発表、音楽とゲームで提携(ITmedia)
和解金の支払い+Real製品の販促サポート・提携という、なんかちょっと面白い和解条件。
ついでに『Realは今回の提携の一環として、欧州や韓国で行われている徹底調査など、世界中で進められている独禁法関連調査への直接関与をやめる。』(CNET)らしいので、MSにとっても悪くない条件か。
比較的有名な話ですが、Real社の創業者(CEO)は元MS社員で、何かとMSに噛み付いてました。SunとRealは、反MSの最先鋒だったわけで、Realが他国で「積極的な協力をしない」でくれるならMSとしては一安心。
ただ、この和解は多分、Realの心変わりというより業績不振が原因なんだろうな。
iPod(iTunes)の出現で、Realの業績は落ち目。iPodのライセンス(DRM)を巡って、Appleと敵対することが多かったのがここ1年くらいの動き。とうとう、ジョブス(Apple)をコキおろし、MSに近付くことを匂わせてましたが。
昔はともかく、今となっては、Realの最大の敵はAppleで、「敵の敵は味方」とか「二番手・三番手連合」の理屈で、会社のためにはMSとは仲良くしてくしてくしかないという判断なのだろう、きっと。
今後、MS批判を再び始めるかどうかがポイント?
目下最大の敵、欧州委員会(EUの当局)との問題が残ってるものの、方針転換してIBMのような成熟企業を目指してるMSは、これでホっと一安心してるとこでしょう。
・[WSJ] MSとRealNetworks、7億5000万ドルで和解か(ITmedia)
WSJの試算(概算)見ると、一連の訴訟でMSが支払った和解金の総額は、約50億ドル(5000億円~)か...。他に米国の各州が起こした訴訟の分(割引クーポン配布や、公的機関へのPCの寄付など)があることを考えると、「最低でも50億ドル」か。
......はー。
ちなみに、Real対Appleの戦いはこんなかんじで、
・2004/03/24 リアルCEO、アップルにiPodのオープン化を熱心に訴える(CNET)
・2004/04/15 米紙報道:リアルCEO、アップルのS・ジョブズに同盟を直訴(CNET)
・2004/04/23 Appleのジョブズ氏、市場シェア対策やRealNetworksとの一件を語る(ITmedia)
・2004/07/30 Apple対RealNetworks、iPod問題にエスカレートの予感(ITmedia)
・2004/07/30 アップル、「ハッカー」呼ばわり--リアルのiPod互換ソフトを非難(CNET)
・2004/08/04 Appleの手の内にあるカードは?――弁護士から見たiPod論争(ITmedai)
最近はお互い静かにしてますが、この流れで考えるとMSと和解して、更に協力関係を築こうとするRealの立場・方針(苦境)が理解できる筈。
10月13日追記
・リアルネットワークスとMSが和解、提携してアップルに対抗(Hotwired)
・MicrosoftとRealが見いだした独禁法訴訟の着地点(eWEEK/ITmedia)
・「MicrosoftとRealにとってAppleは依然、強敵」とアナリスト(eWEEK/ITmedia)
・リアルとマイクロソフト、独禁法訴訟で和解の背景-- Harmonyとアップルが後押し(CNET)
・リアルとマイクロソフトが和解--残された独禁法訴訟への影響はいかに(CNET)
10月17日追記
・先週最も得した企業はRealNetworks(eWEEK/ITmedia)