PC用のプリンタは「本体を安く売って普及させ、純正インクカートリッジ(トナー)で稼ぐ」ことがビジネスモデルになっています。
このビジネスモデルは、ユーザーがメーカー純正のカートリッジを買うことが前提になっているため「それ以外」のものを買われるとメーカーにとっては困るわけで、「再生品」を巡っては定期的に訴訟沙汰になってたりします。
「再生品」というのは、メーカー以外の会社が使い終わったカートリッジを回収して、インクを詰め直して再販しているもので、純正品より安いので大量に使うユーザーにとっては有難い存在ながら、メーカーは1円も儲からないため摩擦が起きるわけです。
今のところ、この「再生品カートリッジ」は合法と支持されているんですが、プリンタを巡ってまた別な問題が。
・「HPのプリンタカートリッジに秘密の期限切れ設定」とユーザーが訴え(ITmedia)この訴えによると、「時限式」なのだと。
ジョージア州在住の女性がHewlett-Packard(HP)を提訴、同社のインクカートリッジは特定の日になると期限が切れるようひそかにプログラムされ、場合によってはプリンタに取り付ける前に使えなくなってしまうと訴えている。
(略)「このスマートチップは、インクがまだあるのに切れたと認識させ、消費者には明かされていない期限を内蔵してカートリッジを使えなくするという二重の機能を備えている」と訴訟では主張している。(略)
最近のプリンタ用インクカートリッジには、チップが埋め込まれていて、このチップの認証があわないとインク自体が使えないというシステムになってます。
なので、もし形状が合致したとしても他社のカートリッジを使うことが不可能で、だからサードパーティによるインクカートリッジは存在せず、また「再生品」が出るわけです。「再生品」は元は純正カートリッジなので、プリンタは正式なカートリッジ(トナー)として認識するため、使用できるんですが。
再生品を排除する目的で「時限式」の仕掛けを組み込むのは有り得そうな話(これなら古いカートリッジは再利用不可になる)。本当に時限式を用いてたら、大問題だし敗訴確実でしょうが…。
この訴訟はまだ「提訴された」というだけで、話の内容が正しいかどうか(誤認じゃないかどうか)、真偽不明ですが、もし本当ならとんでもない話です。
今後の展開が注目されるところ。
10月21日追記
・HP、カートリッジ再販業者に特許侵害の苦情を申し立て(CNET)