本の紹介:『よつばと!』(あずまきよひこ)


最終更新日:2010-02-14
arrowタイトル:よつばと!
arrow作者名:あずまきよひこ
arrow刊行数:9巻('10年2月現在。以下続刊)
arrow掲載誌:電撃大王(アスキー・メディアワークス)
arrowWebsite:よつばスタジオ/ あずまきよひこ.com/ 電撃大王

【『よつばと!』を好きな人には、『みなみけ』もオススメ

 『あずまんが大王』は、一人で読んでクスクス笑うタイプのマンガでしたが、『よつばと!』は更にそれに磨きがかかってます。
 主人公の「よつば」がド田舎(多分)から街に引っ越してきたところから話が始まり、「お隣さん」の三姉妹(恵那・風香・あさぎ)との交流を中心に話が進みます。しかし、事件なんて全く起きません。起きるのは、フツーのことばかり。しかし、そのフツーのことに世間知らずのよつばが関わることで、微妙にズレた方向に話しは進みます。
 幼児はワケのわからないことをしたり、話しをしているときにおかしな言い回しをして大人を驚かせますが、よつばは田舎育ち(多分)なので、余計におかしなことになります。 例えば、

第五話「よつばと買い物」
(玄関先で出会って)
風香「よつばちゃん、おでかけ?」
よつば「おかいもの! そこにおっきーみせがあるって とーちゃんがいった。アパート!
風香「でぱーとね…」

 他にもお隣さん家に遊びにいってクーラーを始めて体験したよつばが「ちょうど寒い!」と言ったり、お腹すいてないかと聞かれて「もうちょっと減ってない」と答えたり、何処から引っ越してきたのかと聞かれて「左!」。ハードボイルト映画を見て水鉄砲を持ってお隣さん家に殺し屋として潜入したり…。
 そんな具合に、子供がするおかしな誤解や行動、勘違いと周りの大人の反応が話しのメインで、笑いを誘います。しかし、非現実的なことは一切起きません。起きるのは、現実的な「日常」の出来事ばかり。
読んでると「ああ確か、こういうことあったなぁ」と自分の子供の頃を思い出させてくれる、そんな漫画です。
言葉じゃ表しにくいですが、子供がいる人もいない人も楽しめる作品。
作品のテーマは「ENJOY EVERYTHING」「いつでも今日が、いちばん楽しい日」です。

 「よつばと」は芸の細かさがピカイチです。詳しく書くとネタバレになってしまいますが、基本的に一話完結の構成で確かに一話一話独立したものとして楽しめるのですが「前の話も知ってるとより楽しめる」内容になっています。
例えば第三話「よつばと地球温暖化」で、あさぎがアイスを食べてるシーンが出てきます。次の回、第四話「よつばとテレビ」で、綾瀬さん家のかーちゃんが風香に向かって「あー風香を生んでよかった。でもあさぎは失敗。あのこ、きのう、私のアイス食べたのよ!」というシーンが出てくる。
 第四話だけ読んでも話の筋は通りますが、第三話を読んでる人には「ああ、第三話のあのアイスなのかっ」とニヤリとできてキャラクターに親近感が沸きます。こういう小ネタが随所にちりばめられていて、そのさりげなさが「なんともない日常生活・日常会話」を演出しています。何気なく読み飛ばすようなところにネタが仕込んであって、二度三度読み返して初めて「ああ、これはそういう意味なのかっ」とわかったりします。それがまた読み返す楽しみになるわけです。

 ちなみに、あちこち感想見てると「よつばってアホ?」なんて書いてる人がいるんですが、ハッキリ言ってお子様の頭脳なんてあんなもんですよ。よつばをバカにする人は、自分の記憶を美化してるとしか思えません。
 大抵の子供はあんなカンジです(特に男児は女児よりもアホである率が高い)
 「よつばと」の英語表記は「YOTSUBA&」。各話のタイトルは「よつばとxxxx」というのが基本です。しかし、あずまさんはサイトで「よつばと」のイントネーションについて、
『ちなみに私が言ってる「よつばと」はハトの一種のよつばとです。羽が4枚あり体は緑色です。「おー。おー。」と鳴きます。生息地は左の方。』
なんて書いてたりしますので、「××と○○」のときの「と」ではなく鳥の「ハト」を言うときのイントネーションで言うのが正しい……んだと思いますよ、きっと。たぶん。

既読の人向けのメモ(時間軸設定等)>>

【『よつばと!』を好きな人には、『みなみけ』もオススメ


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