本の紹介:『僕らの変拍子』(冬目景)
最終更新日:2010-02-14



【『僕らの変拍子』を好きな人には、『イエスタデイをうたって』もオススメ】
冬目さんの出した二冊目の単行本。'92~'94年に書かれた短編、7作が収録されています。
冬目さんの単行本一冊目は『ZERO』なのだが、収録されてる作品の発表順序だとこの『僕らの変拍子』収録作が先になります。
デビュー作『六畳劇場』は今は無きスコラ社の『コミックバーガー』に掲載されたもの。
この単行本自体も元々はスコラから発売されていたのだが何やかんやでスコラが倒産。その後、掲載誌の『バーガー』を引き継いだソニーマガジンズから再発売された。…が、またしても移動。現在は幻冬舎から発売されています。そんなわけで単行本自体も複数存在しますが中身は一緒のはず。幻冬舎版だけ表紙が違うかな?
ベスト版でもないのに同じ本の版元がこうも変わるのも珍しい。もっとも、元々『バーガー』に書いてた他の作家さんも同じ道を歩んでるわけですが。
ちなみにスコラ版は、'95年10月発売(505円)、ソニーマガジンズ版は'99年10月発売(520円)、幻冬舎版は'02年01月発売(540円)。カッコに書いたのは税抜きの「本体価格」。発売される度に徐々に値上がりしてるのがちょっと笑えます。
『僕らの変拍子』収録作 |
「僕らの変拍子」 (『コミックバーガー』'94年6月号) 「幽霊のいるまち」 (『コミックバーガー』'94年8月号) 「現国教師RC-01」 (『コミックバーガー』'93年12月号) 「醒めてみた夢」 (『コミックバーガー』'93年8月号) 「銀色自転車」 (『コミックバーガー』'93年7号(4/13号)) 「こんな感じ」 (『コミックバーガー』'92年22号(11/24)) 「六畳劇場」 (『コミックバーガー』'92年18号(9/22号)) (カッコ内はスコラ版奥付記載の初出) |
『現国教師RC-01』はタイトル通り(?)アンドロイドもの。今でいう「THのマルチシナリオ」。勿論、発表時期はこっちのほうが早いのだが。
『銀色自転車』は、『イエスタデイをうたって』の原型と言えるのかも?(冬目さんがどう思ってるかわからないが)。ストーリーとしては『大学を留年してる主人公と、とっとと卒業して就職しちゃった元彼女。元同級生の仲間の集まりで再開して…』というもんで、『イエスタデイ』を短くしたかんじです。
短編ですが「イエスタデイをうたって」の雰囲気(ダメ人間が四苦八苦するかんじ)が好きな人は見てみるべし、です。
『こんな感じ』も似た雰囲気で、こっちの主人公は予備校通いの浪人生の話。
『六畳劇場』は冬目さんのデビュー作。役者の夢を捨てて就職したOLと、大学で映画を撮ろうと意気込む大学生との話で、夢が云々という内容。『イエスタデイ』の三巻で出てきた、木下の妹の話を切り出したかんじ…かな?
読み返してみるて『イエスタデイをうたって』は、この単行本の収録作を全部まとめて一つの世界観に押し込んだもんなのか、と思った次第。
なので『イエスタデイ』を好きな人は、この単行本も読んでみて損はない(はず)。
逆にこの単行本が好きなら「イエスタデイ」にハマる筈です。
【『僕らの変拍子』を好きな人には、『イエスタデイをうたって』もオススメ】











▽小説等の紹介▽
