本の紹介:『陽炎日記』(木尾士目)


最終更新日:2010-02-14
arrowタイトル:陽炎日記
arrow作者名:木尾士目
arrow掲載誌:アフターヌーン(講談社)

 木尾さんのデビュー作収録の一冊目の単行本。裏表紙の煽りが、
「キレイごとじゃすまされない、本音で語る恋愛のカタチ。
進むか戻るか心は揺れる。陽炎のごとく、ゆらゆらと──」

とあり、まぁそんなかんじの本です。
『陽炎日記』から『四年生』『五年生』の変遷は凄くわかりやすいです。が、『げんしけん』との間には大きな隔たりがあります(笑)。
私は『四年生』→『陽炎日記』→『五年生』という流れで、その後で『げんしけん』だったので別に大丈夫でしたが、『げんしけん』を読んだ後でこれを読んだら絶対に鬱になるでしょう。
「同姓同名? 間違って買っちゃった?」てなもんです。

 収録されてるのは「陽炎日記(前・後編)」「陽炎日記2(前・後編)」「点の領域」、そしておまけのあとがき(赤っ恥劇場)です。
「点の領域」が投稿作品で、これが賞をとってデビュー。そして、これを受けて連載されたのが「陽炎日記」なわけです。『寄生獣』と言い、これと言い、昔のアフターヌーンはかなり硬派だったんですよねぇ(しみじみ)。
今じゃあんなんだけど(失敬)。

 あとがきマンガ「赤っ恥劇場」ではペンネームの由来について、とんでもない暴露がされてます(ここには書きませんが)。本人の作品解説では、
'94「点の領域」:妄想
'95「陽炎日記」:処女だの童貞だの
'96「陽炎日記2」:肉体問題

という、とってもわかりやすい解説がされていて、まぁこの通りだから言うことねーや。

 ちなみに「陽炎日記」と「陽炎日記2」の間に繋がりは全くありません。話の雰囲気は一緒ですが。
上で書いた通り「陽炎日記」は、本当は処女なのに周りの人間には遊び人だと思われてるねーちゃん(所謂、耳年増)が主人公。彼女にコナをかけてくるプレイボーイ(死語?)のにーちゃんと、主人公と哲学談義する童貞にーちゃんの三人が、あーだこーだという話。最終的にはハッピーエンドなので、私は結構好き。
「陽炎日記2」のほうは、そこを飛び越えて、ヤったヤらない、SEXとはなんぞや、という話で、純愛を夢見るお年頃の子にはオススメできません(笑)。ちょっとイタイです。
 「点の領域」は、朝起きたら隣に見知らぬ女が寝ていて…という話。これはなんとも言いようがないです。まぁ投稿作なんだからこんなもんかなと。「陽炎日記2」に通じるものがあり、こちらも微妙に。
自虐マンガが好きな人にはオススメですが、萌えを求めてはいけません。ちょっとエロいですけどね。


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