本の紹介:『四年生』(木尾士目)


最終更新日:2010-02-14
arrowタイトル:四年生
arrow作者名:木尾士目
arrow掲載誌:アフターヌーン(講談社)

【『四年生』を好きな人には、『五年生』『イエスタデイをうたって』もオススメ】

 木尾さんの二冊目の単行本。裏表紙の煽りが、
「島明夫と相馬芳乃。恋人同士。彼らは大学四年生という季節を迎えた---。
親・友人・将来・ふたりの関係……。考えても結論は出ない。
痛く切ない青春が、ここにある」

といった具合。まぁそういうマンガです(ぉ

 明夫のほうがダメ人間で、芳乃が才女。で、どうしましょう、という、なんかそんなかんじです。
連載期間が97年12月号-'98年5月号とあり、「陽炎日記2」の一年後くらいですね。
目的意識の喪失、就職難。今より社会状況がマシだった頃のマンガですが、通じるものがあります。よく考えてみれば、若者の就職難とか働く意欲とか言われだしたのはこの頃だなぁ、と。

 話は、目的意識がハッキリしていて進路も決まってる芳乃と、それがなく「とあえず卒業できればいいや」という明夫との間で起こる不協和音が骨子になっています。
弁護士という夢があり進路がハッキリしてる芳乃は明夫に言います。「もう就職活動しないとね」。明夫は答えます「俺、就職しねーよ?」。なんでと問われて「別にやりたいことねぇし東京でフリーターしてれば食ってける」「芳乃が弁護士になって稼いでくれりゃいい」。芳乃は一言「そーなたらマジ別れる!」。
そして話は転がりだします。

 紆余曲折あった末、話はうまくまとまって終わります。
『げんしけん』は、「ヲタ青年の大学生活」を描いてますが、『四年生』はそうじゃない、タダのダメ大学生の生活をキレイに描いている作品です。ただ、明夫がゲームをするシーンは随所に出てくるので、どちらも「今時の大学生」に違いはありませんが。
・『陽炎日記』も『五年生』もちょっとイタイ作品ですが、『四年生』はそうでもないです。まぁ、ェロなシーンはあるし、所々イタイところもあるんですが、そんなにエグくない。日常生活が主体で、これが『げんしけん』に一番近いかもしれません。
読んでいるときに「それは俺のことかぁぁぁぁぁぁっ」という部分が出てくるのは私の被害妄想でしょうか…。

【『四年生』を好きな人には、『五年生』『イエスタデイをうたって』もオススメ】


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